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2014年度の”炎上”事例、全742件を分類~増え続ける炎上~

2015年03月17日

今年度もあと2週間を切りました。少し早いですが、2014年度にあった”炎上事例”を振り返ってみたいと思います。今年度は3月16日時点(2014/4/1~2015/3/16)で742件もの炎上が起こっています(1日平均2件を超えるペース!!)※1。年度末、3月31日には750件超となりそうです。2013年の一年間(1/1~12/31)に起こった炎上件数は483件であることを考えると、爆発的に増えています。

なぜここまで増えたのでしょうか。炎上は火種となる投稿があり、それが注目され拡散されることで起こります。火種となる事例が増えたということもあるかもしれませんが、それよりも炎上しやすい環境になっていることが最も大きな理由として考えられます。何か問題があった時に個人がソーシャルメディア上で発信しやすくなっている状況※2や少しでも拡散されるとマスメディア等でニュースとして大きく報道される状況から、炎上しやすい環境が出来上がっています。

今年度は特に飲食業界についての炎上ニュースをよく目にしました。ただ、分類してみると飲食業界だけが突出して高いわけではありません。次にどの業界が注目されるのか予断を許さない状況、”炎上”は他人事ではありません。

※1 炎上件数及び内容はエルテス炎上データベースから。炎上とは、通常より50倍の投稿量となったものを独自に集計。

※2 「総務省情報通信政策研究所 平成25年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」よりソーシャルメディアの利用率上昇

2014年度 炎上事例の分類結果

当記事では炎上したことにより影響を受ける主体毎に分類を行いました。

例)従業員の不適切な投稿により炎上した場合、所属している法人に最も影響するため、その法人の炎上事例として分類・カウント。

やっぱり多い、芸能系・メディア・政治関連の炎上事例

多くの人の目に触れる回数の多い「芸能・スポーツ・有名人」「メディア・ジャーナリスト」「政治・海外ニュース」の炎上事例が合計で50%弱を占めました。芸能人、著名人の炎上事例が多いのは、注目されるのが仕事ともいえるため、ある程度仕方がないのでしょうが、“炎上商法”といわれ売名行為ととられることもあります。特にタレントや世間に情報発信することが仕事の方が不適切な発言をしてひんしゅくを買ってしまう、というケースが目立ちました。

政治家や公共機関の言動に対する批判のほか、日本の近隣諸国でのニュースや政治的な動きについても頻繁に話題にのぼりました。

また、テレビの演出や新聞・雑誌の記事内容がネット上で批判の的となり炎上するケースは多く、マスメディアをソーシャルメディアが監視していると言えます。テレビの番組については自主規制が厳しくなって面白い番組が作りにくいというテレビ関係者がいますが、一部の視聴者の意見がクローズアップされやすくなるとますます規制が強くなってしまうかもしれません。そうするとマスメディアがソーシャルメディアの顔色をうかがいながらコンテンツを作る、という状況になり得るでしょう。しかし、炎上件数の多さを見ると、今後の発信内容に対するケアはより一層必要なのは変わりありませんが、テレビ離れ、新聞離れが叫ばれていてもまだまだその影響力は大きいようです。

企業関連の炎上のうち3分の1が飲食業界

メディア以外の法人が主体となった炎上事例は全体の31%(228件)あり、そのうち3分の1が飲食業界です。マスメディアのニュースとして取り上げられたものは飲食業界ばかりのイメージかもしれませんが、他業界においてもBtoC企業を中心にソーシャルメディア上で炎上しています。

飲食業界に次いで件数が多かったのは、IT・ゲーム関係です。炎上のきっかけとなるメディア(TwitterやFacebook、2ch等)でよく利用(投稿)する層とサービスのユーザー層が似ていることが原因と思われます(ゲームの仕様などサービス内容に不満があると炎上しやすい)。

実は、このことは他の業界でも同様で、自社商品・サービスのユーザー層とネットユーザー層がどのような関係かは炎上しやすいかどうかの重要な要素になります。自社企業においてトラブルがあった際には、その関係性にも注意しながら対応することが必要です。

まとめ

全体の炎上件数は増加傾向にあり、今後もソーシャルメディアの更なる普及を背景に増え続けるでしょう。

インターネットの怖さは炎上が鎮火した後もその情報がずっと残り続けるところです。”人の噂も七十五日”では済みません。対策をしなければ何年も人の目に触れることになります。個人としても企業としてもソーシャルメディアとの付き合い方をしっかり学び、トラブルを起こさない&トラブルに巻き込まれないように利用しましょう。

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日本におけるSNSの利用率はここ数年増加の一途をたどり、2015年3月の調査では実に77%に至りました。企業もこれに比例してSNSをマーケティングに活用しようという動きが高まり、今日では既に一般的なこととなっています。ソーシャルメディアマーケティングは、話題の拡散、属性によるターゲティングや双方向のコミュニケーションといったマーケティングの多様性を生み出し、この成否が顧客エンゲージメントの獲得を左右するようになりました。

しかし、その一方で、ネット炎上件数もまた年々増加し、昨年は遂に1,000件を超え、企業としては、炎上させないSNSコミュニケーション術や、万が一炎上の火種が生じた際にどのように対応するかというリスク管理体制の整備が求められています。これは、ソーシャルメディアの活用を控えるという意味ではなく、ソーシャルメディアを有効に活用するための手段でもあります。

デジタルリスク総研は、2007年からソーシャルリスクマネジメントに着目し事業を行っている株式会社エルテスによって、ソーシャルリスク総研として、2016年2月に設立され、ソーシャルリスクを低減させることを目的とした研究機関として、ネット炎上等のソーシャルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元してまいりました。そして、2016年11月にデジタルリスク総研と改称し、ソーシャルリスク分野に加えて、企業内部の不正や金融犯罪の検知をはじめとしたリスクインテリジェンス分野における研究を開始しました。このサイト上では、企業に役立つ実践的なデジタルリスクマネジメントについて、定期的に情報発信を行いますので、企業等のデジタルリスクマネジメントに是非ご活用ください。

※ 13歳以上の男女。(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

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