デジタルリスク総研は、デジタルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元することによって、デジタルリスクを低減させることを目的とした研究機関です。MORE

プロモーションと炎上の関係から学ぶこと

2017年03月15日

昨年9月下旬、某市がふるさと納税の養殖うなぎのPR用に作成した、うなぎを少女に擬人化した動画が大炎上を引き起こしました。

この動画では、スクール水着を着た少女が「養って」とナレーションである男性の「僕」に話しかけるシーンからはじまり、「僕」は少女を大切に育てることを決意します。最終的には、「さよなら」と「僕」に告げ、養殖うなぎとして「消費」されることを示唆される内容となっていました。

この動画が公開されるやいなや、「女性蔑視である」、「単純に気持ち悪い」などと批判が殺到する事態となり、国内のみならず欧米メディアでも取り上げられ、大炎上に発展する事態となりました。

shutterstock_375638515

「バズ」を狙うために意図的に過激な内容に

そもそもこの動画を制作した市も、万人受けするコンテンツとしてこの動画を制作したとは考えづらいでしょう。意図的に大胆な内容で制作し、話題性を持たせたと考えるのが自然ではないでしょうか。 奇抜なコンテンツを制作すれば、ソーシャルメディア上で爆発的に多くの人に取り上げられる、いわゆる「バズる」可能性は上がるといえます。「バズる」こと自体は、奇抜で意見が人によって分かれるようなコンテンツを作成すれば、さほど難しくないかもしれなません。問題は、「どのように、バズる」かであり、この動画の場合は、完全に目算が外れ、全世界にネガティブな意味で解釈され、伝わってしまう結果となりました。

「バズ」の功罪

そもそも、「バズる」ことで得られるものは何なのでしょうか。ネット上で、「バズ」れば、たちまち多くのまとめサイトなどに取り上げられ、幅広い層にその話題、トピックを認知させることが出来ます。このケースで言えば市の知名度があがり、うなぎの産地であるという事実は、広く知れ渡ったといえるでしょう。その一方で、「炎上した地」というネガティブなイメージを広く持たれてしまったともいえます。そして一定期間が過ぎると、炎上した経緯や理由は忘れ去られ、単純に「炎上した」という事実だけが残ります。

組織内での意思統一を

上記は地方自治体での事例ですが、多くの企業は、プロモーションがインターネット上で話題になることは有効な手段だと考えるのではないでしょうか。批判を恐れ、無難なプロモーションになってしまえば、そもそものプロモーション効果が低いと考え、「攻めたい」と考えるマーケティング担当者も多いのではないかと思います。 しかし、バズることで注目を浴びて結果多くの人の目に触れるプロモーションになったとしても、一定期間過ぎたあとは「炎上した企業」として企業全体のイメージに損失を与えることも多くあります。そこで肝心なのが、「攻め」と「守り」のバランスです。

プロモーションを実施する際は、効果的なプロモーションと炎上防止の観点から、事前にどのようなリスクが起こる可能性があるのか、企業の方針としてどの程度のリスクならば許容するのかをまず事前に決めておくことが重要です。その上でプロモーション開始後から一定期間モニタリングを行うなど、しっかりリスクを押さえつつ、攻めていくという試みが今は求められているのではないのでしょうか。

03-6550-9281

お問い合わせ

  • 大阪06-6210-5017
  • 福岡092-287-9732

このページの読者に読まれているコラム

このページの読者にダウンロードされている資料

デジタルリスク総研について

日本におけるSNSの利用率はここ数年増加の一途をたどり、2015年3月の調査では実に77%に至りました。企業もこれに比例してSNSをマーケティングに活用しようという動きが高まり、今日では既に一般的なこととなっています。ソーシャルメディアマーケティングは、話題の拡散、属性によるターゲティングや双方向のコミュニケーションといったマーケティングの多様性を生み出し、この成否が顧客エンゲージメントの獲得を左右するようになりました。

しかし、その一方で、ネット炎上件数もまた年々増加し、昨年は遂に1,000件を超え、企業としては、炎上させないSNSコミュニケーション術や、万が一炎上の火種が生じた際にどのように対応するかというリスク管理体制の整備が求められています。これは、ソーシャルメディアの活用を控えるという意味ではなく、ソーシャルメディアを有効に活用するための手段でもあります。

デジタルリスク総研は、2007年からソーシャルリスクマネジメントに着目し事業を行っている株式会社エルテスによって、ソーシャルリスク総研として、2016年2月に設立され、ソーシャルリスクを低減させることを目的とした研究機関として、ネット炎上等のソーシャルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元してまいりました。そして、2016年11月にデジタルリスク総研と改称し、ソーシャルリスク分野に加えて、企業内部の不正や金融犯罪の検知をはじめとしたリスクインテリジェンス分野における研究を開始しました。このサイト上では、企業に役立つ実践的なデジタルリスクマネジメントについて、定期的に情報発信を行いますので、企業等のデジタルリスクマネジメントに是非ご活用ください。

※ 13歳以上の男女。(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

運営者について

デジタルリスク総研は株式会社エルテス内にございます。
株式会社エルテスでは、次のような事業を行っております。お気軽にご相談ください。