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スマイリーキクチ氏が語る
「ネットの誹謗中傷にあった際の対処法」
~もしあなたがインターネット上にデマを書き込まれて悪評が拡散したら?~

2017年12月20日

※ネット風評被害に遭った経験をもつタレントのスマイリーキクチ氏にご寄稿いただきました。

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SNSを利用すれば誰でも自由に情報を発信できます。しかし世界中の人と交流する以外に悪用する人も存在します。
例えば人間関係のトラブルの報復として、ネットに悪口を書き込む。現代のネット社会では日常化したかもしれません。匿名なると自分の身分を隠せるせいか、好き勝手なことを書き込む人もいます。
ネット上に悪口や中傷する人は若い世代とは限りません。ある程度の社会的地位がある人でも平気でネット上に書き込みます。

今月3日に石川県の40代の男性市議が、ある飲食店を名指しで「ゴキブリ入りの料理」などと10回もサイトに書き込み略式起訴されました。悪評は広がり、ネットで中傷された飲食店は閉店を余儀なくされました。
また埼玉県の20代の男性教諭は自らが勤務している高校の男子生徒になりすまし、ある女子生徒について「顔で損してるよな」「あの体形、あの嫌われようでよく学校に来られると思う」などと中傷する投稿を行っていました。

ネットの中傷は面識があろうとなかろうと関係ありません。
今は何か大きな事件が起きる度に、事件と無関係な人がネット上で犯人に疑われたり、犯人の親族だとデマを書き込まれてしまう。ネットによる人権侵害の被害件数が増加の一途をたどっています。
誹謗中傷の被害は決して他人事ではないんです。


誰でも被害者になる恐怖

ある日突然ネット上に事実無根の書き込みをされるとします。誰から見ても世間から反感を持たれるような人物像に仕立て上げられたとしましょう。
その時点でもう1人の自分がネットで産ぶ声を上げます。悪評は瞬く間に広がり、顔写真や名前、住所、電話番号などの個人情報が晒されて、ネットのデマを真に受けた人から一方的に怒鳴られたり、脅迫を受けたりする。

もし、ネット上にデマを書き込まれて、私生活にまで影響が及ぼすような状況に陥った場合、みなさんならどうしますか?

自宅に知らない人が来て家の写真を撮影してSNSに投稿したり、仕事先にまで無言電話やイタズラ電話がかかってくる。嫌がらせをする集団は「悪い奴を懲らしめてやる」という正義のつもりなので、このような行為をするので悪気はないでしょう。それだけにタチが悪いです。実際に被害に遭うと、誰に相談していいのか、どのように対処するのかが分からず、戸惑っている内にデマが拡散されて、被害も拡大してしまいます。

対処法については、いろいろなやり方があるので、これら全てが正解というものではありません。あくまでも自身の経験や、同じ中傷の被害に遭われた方々への事例とアドバイスを元に書いてあります。参考のつもりで読んでください。

ネットのデマの書き込みに対し、相手が問い合わせぐらいのレベルなら、こちらが否定をすれば理解してくれるでしょう。ただ、みんながそうとは限りません。
中にはデマを鵜呑みにして、正誤の確認もしないまま、無責任にデマを拡散して中傷する人物や直接電話をかけて罵声を浴びせてくる人物もいます。

考えてみてください。

そういう価値観の人に「あの書き込みはウソなんです、違います」と伝えたところで通じないのです。最初から疑ってかかる人には全てが言い訳にしか聞こえないようで、こちらがいくら否定をしても「ウソつくんじゃねぇ!」とさらに怒鳴り散らしてきます。

そういう人が存在するのです。


ネットにデマを書き込まれて誹謗中傷や脅迫の被害にあったら?


中傷された場合、やられた側が何のアクションも起こさないと、疑う人達は「書き込みが全て事実だから否定も削除もしない」と勝手な解釈で決め付けられるので、デマの放置は危険です。デマが真実のように化けるので、なんらかの対策を練った方が良いでしょう。


まずは絶対にやってはいけないこと!

何を書かれても、反論は一切しないでください。
いきなりネットで中傷されたり、電話で文句を言ってこられたら、誰だって腹も立ちます。その人物を許せない気持ちも分かります。

でも、ここが重要です。

反論すれば相手が過激化することも予測できます。
警察に相談した際、あなたの反論が「相手を挑発した」とみなされるかもしれません。あくまで《一方的にやられた》そういう立場になることが大切です。まずは、《被害者》と《加害者》を明確にするために、自分自身の気持ちを落ち着かせましょう。


書き込みの画像保存

デマの書き込みを全て画像保存しましょう。SNSや掲示板、まとめサイトなどあらゆるサイトを細かく検索して証拠を集めてください。
嫌がらせ行為と感じた電話は無言であっても全て録音しておきましょう。被害が深刻化して警察に相談する際に、被害証拠の量も大きな役割を持ちます。自宅や会社の周辺で不審な人物を見かけたら、身の安全を確保できる状況を作ってカメラなどで撮影をしてください。

自分でTwitterやFacebookやInstagramなどのSNSを利用していた場合、閉鎖やアカウントを削除するのは被害が拡大する恐れもあります。


SNSのアカウントを削除するメリット、デメリットとは?

メリットはSNSのアカウントを乗っ取る者もいるので、本人になりすましてネガティブな言葉や周囲を挑発するような煽るデマ投稿を防げる点です。
デメリットはデマを信じて攻撃をしてくる人物はSNSを削除した時点で「あのヤロー、逃げやがった」と邪推するタイプが多く、逆に反感を買ってしまう危険があります。
またSNSのアカウントを削除しても、ネットリンチの被害に遭っている時点で不特定多数がSNの文言や画像をコピーしているでしょう。
魚拓したページをあらゆるサイトに貼り付けたりもします。過激化して頼んでもいないのに自宅に着払いの品物が届いたり、ネット以外の嫌がらせが増えたという例もあります。

個人的にはSNSを開設している人は、そのままの状態にした方が良いと思います。
もし、警察に捜査を依頼する際、中傷の書き込みがいろいろサイトに分散されていると警察もどこから着手するのか、捜査基準と方針がぼやけます。
だったら、自分のSNSに投稿された中傷や脅迫などのメッセージは本人への直接的な攻撃ですから、より悪質性も高く、証拠を集める際も一点集中で手間が省けます。一網打尽と言わないまでも、ある程度の犯人を摘発できると思います。


否定をする時に気をつけること

証拠を集めた後にSNSなどで情報を発信することが出来れば、ネットに書き込まれたデマをひとつずつ敬語で否定します。より丁寧に否定をされる場合はネットのデマを知ってから被害までを時系列で説明して、風評被害の現状を全て明示してください。
最後に「全て事実無根です。これ以上被害が続くのであれば刑事告訴をします」と警告文を付け加えましょう。


書き込みの削除依頼

次に中傷されたサイトの管理者にも書き込みの削除を申請しましょう。実際に対応してくれる管理者は少ないです。それでも意思表示として削除依頼を続けてください。削除に応じてくれずに悪評が拡散され続けるような状況ならば、法務省の「みんなの人権110」に問い合わせをして、事情説明してください。


証拠を集め、否定をする。次は中傷の書き込みがされたサイト運営会社に削除依頼する。そこまでしたのに効果がない。被害者の「血」なら動いてくれますが、「字」ではなかなか捜査してくれません。中傷も大変ですが、警察を動かすのはもっと大変です。


最後に


被害になんて遭わないよ、自分は大丈夫!

誰しもがそう思うでしょう。今日もどこかで交通事故が発生しています。その瞬間が訪れるまで、みんな自分が被害者や加害者になるなんて夢にも思わないはずです。でも実際に事故に巻き込まれてしまった。こちら側がルールを守っていても相手がルールを無視してくる。ネットの中傷やネットリンチも同じように感じます。悲劇は突然襲ってきます。
だからこそ、何通りかの対処の仕方を知っておけば、いざという時に被害が最小限で済みますからね。
そうゆう意識を、頭の片隅に置いてネットや情報を扱いましょう。




スマイリーキクチ氏のTwitterはこちらをご覧ください。
https://twitter.com/smiley_kikuchi

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日本におけるSNSの利用率はここ数年増加の一途をたどり、2015年3月の調査では実に77%に至りました。企業もこれに比例してSNSをマーケティングに活用しようという動きが高まり、今日では既に一般的なこととなっています。ソーシャルメディアマーケティングは、話題の拡散、属性によるターゲティングや双方向のコミュニケーションといったマーケティングの多様性を生み出し、この成否が顧客エンゲージメントの獲得を左右するようになりました。

しかし、その一方で、ネット炎上件数もまた年々増加し、昨年は遂に1,000件を超え、企業としては、炎上させないSNSコミュニケーション術や、万が一炎上の火種が生じた際にどのように対応するかというリスク管理体制の整備が求められています。これは、ソーシャルメディアの活用を控えるという意味ではなく、ソーシャルメディアを有効に活用するための手段でもあります。

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※ 13歳以上の男女。(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

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