デジタルリスク総研は、デジタルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元することによって、デジタルリスクを低減させることを目的とした研究機関です。MORE

【セッションレポート前編】
攻めのSNSマーケティングで炎上させないための極意
/株式会社ディー・エル・イー

2018年10月25日

SNSで効果的な施策や自社ブランディングにお悩みを持つ企業を対象に、2018年9月27日に「SNSマーケティングの矛と盾」と題した無料セミナーを株式会社ディー・エル・イーと合同で実施いたしました。


「秘密結社 鷹の爪」をはじめ多彩な表現力に基づく企業プロモーションなど、「攻め」のコンテンツ制作で知られる株式会社ディー・エル・イーと、「守り」の観点からデジタルリスクの管理と解決のソリューションを提供する株式会社エルテス、それぞれの見地からSNSマーケティングのいまを分析するセッションを展開。そのハイライトを前後編に分けてお届けします。

①


トレンドを知り、SNSごとに異なる特徴を掴み、継続して運用することが大切

商品やイベントのPRにおいて、SNSを活用したマーケティングが広まりをみせる昨今。好評を博して人気が沸騰するケースもあれば、炎上して企業イメージがダウンするケースも数多く発生しています。SNSは大反響を得られる可能性もあれば、使い方を間違えると危険をもたらす、まさに諸刃の剣といえるツールです。

前編では、株式会社ディー・エル・イーのセッションをご紹介します。冒頭、同社のメディア戦略室室長で、SNSマーケティングの運用・分析面を横断的に統括する城紀実氏から、オンラインメディアの分類について語られました。その内容は次の通りです。


(1)オウンドメディア

「自社で運用しているニュースサイトやTwitter、Instagramもオウンドメディアに当たります。出したい情報を出せる、逆に出したくないものは伏せておくこともできるので、かなりコントロールしやすいメディアと言えるでしょう。その代わり、アクセス数が少なかったり、興味を持ってもらえなかったりといった難点も挙げられます」(城氏コメントより抜粋、以下同)

(2)ペイドメディア

「分かりやすいのはCM です。お金を払って、コンテンツを制作して情報を目にしてもらうことを目的にしたメディアです。オウンドメディアと比較すると、伝えられる情報が少ないケースも多く、コントロールしにくいですが、非常に多くの人に見てもらうことができます」

(3)アーンドメディア

「最近、非常に大きな話題となっているメディア形態です。広義には、SNS もアーンドメディアに含まれますが、ユーザーが自ら投稿してくれる、いわゆるクチコミのこと。悪いことも書かれてしまいますが、逆に思ってもみなかった部分を褒めてもらえることも。商品購入の参考にするものとして、国内ではテレビが一番の影響力を持っていますが、次いでクチコミサイトが挙げられるほどです。拡散力も期待できる一方で、コントロールが難しいメディアでもあります」(城氏)


②
▲株式会社ディー・エル・イー 城紀実氏


城氏は、この3つのうち一番効果が見込めるのはアーンドメディアであるとの見方。しかし、アーンドメディアを“生み出す”には、「オウンドメディア」と「ペイドメディア」の2つを継続して行うバックグラウンドが必要だと指摘します。それを踏まえて、SNSで発信する際には、まずそれぞれのユーザー層や特徴を掴むことが欠かせないとのこと。

「たとえば、Facebookは動画や画像を投稿できますし、ウォールに投稿できる文字数も多いので、一度の投稿でユーザーに伝えられるボリュームはかなりあります。かたや20代女性を中心とする若年層に人気のカメラアプリ『SNOW』は、画像中心のSNSなので、商品の詳しい説明が難しい反面、認知拡大に適しています。商品情報を詳しく知ってもらいたいのか、ターゲットに広く認知してもらいたいのかを見極めて、採用するSNS を選んでいただければと思います。ユーザーとSNSの特徴を掛け合わせて、最適なものを継続運用することが重要です」(城氏)

また、メディア選びと同等に大事になるのは、どのようなコンテンツを発信するか。コンテンツがシェアされにくいものだと、拡散に至らないと言います。では、どのようなコンテンツが拡散されやすいのかについて、城氏は次のような条件があると分析します。

「ポイントは3つあると思います。1つ目は『注意を引きやすいもの』。パッと見た瞬間にこれなんだろうと思わせるような投稿かどうかです。2つ目は『共感されやすいもの』。あるあるネタであるとか、私もこういう経験あると言いたくなるような投稿であるとこと。3つ目は『ツッコミどころが多いもの』。なにコレとツッコむと同時に人に言いたくなるようなものです。この3つのポイントを兼ね備えている投稿は、非常にシェアされやすいと言えるでしょう」(城氏)

しかし、この3つのポイントは、炎上しやすいコンテンツにも当てはまるとのこと。攻めと同時に炎上を防ぐ守りについても考えなくてはいけないと提言します。



企業の好事例に見られるSNSでシェアされるコンテンツの共通点

城氏のセッションを受けて、どのようなコンテンツが拡散されるのかについて、同社アカウントマネジメント部部長で、多岐にわたるジャンルでマーケティング・ソリューションを手掛けてきた祝悠介氏が、他社事例を交えながら解説します。


③
▲株式会社ディー・エル・イー 祝悠介氏


まず、他社事例として紹介されたのは、肉関連の企業で結成した「ニクレンジャー」というコンテンツ。これは、牛丼の吉野家がSNSで呼びかけ、それに応じた吉野家を含む、ガスト、ケンタッキー、モスバーガー、松屋の5社がオリジナルの戦士キャラクターを制作したというもの。企業のフットワークの軽さと、展開に胸を踊らせたユーザーによって大きな反響が得られた好事例と言えます。

「1つのツイートがきっかけで、企業の垣根を越えてコンテンツを楽しみながら創り出すという流れが、SNS上の盛り上がりにつながりました。その勢いはオンラインに留まらず、さまざまなテレビメディアに取り上げられることになります。『スッキリ!』や『王様のブランチ』などへの露出にも成功。通常であれば相当の金額をかけなければ取れないような秒数で紹介されました」(祝氏)

こうした企業アカウントの自由な発信は、いまや固定のファンがつくなど、可能性はますます広がっています。とりわけ定期的に、かつ継続して自社アカウントでツイートしているのが、文具メーカーのキングジムです。自虐ネタなどを多く投稿しており、「中の人」への親近感から29万人を越すフォロワー獲得に結びついていると言います。

その他にも、ベタなダジャレを活かした野村證券の「新座市(にいざ)×NISA(ニーサ)」、花王の「ニベアフォーメン(MEN)×太陽のトマト麺(麺)」などSNSでも話題をさらった企画が紹介されました。また、漫画は顧客とのエンゲージメントを高める手法として効果的だとか。

「『サラリーマン山崎シゲル』を手掛ける田中光さんなど、Twitterをメインに活動されて30万人近いフォロワーを獲得しています。漫画は理解促進や興味喚起という観点からも強力なコンテンツです。漫画を活用することで、クリックレート、コンバージョン、滞在率などの向上が期待できます。最近はOL『耐え子の日常』というTwitter漫画が話題で、主人公のOLがさまざまなシチュエーションに耐えることで生み出すシュールな笑いで人気です。今年5月に書籍化も果たしましたが、『王様のブランチ』のブックランキングでも1位を獲得するなど、非常に大きな流れを生み出しました。この事例からもSNSにおける『お仕事×漫画』の拡散力の高さが見てとれます」(祝氏)


④
▲企業の広報担当者にも多く参加していただいたセミナー。
真剣な表情でセッションに耳を傾ける様子からも真剣さが伝わります


キャラクターは属人的なリスクがないため、安心して活用できるのも評価できるとのこと。さまざまなケースから攻めのSNS活用の可能性について、多角的な考察が展開されたセッションでした。
とはいえ、「炎上リスクはゼロではありません」と最後に祝氏は指摘。


イベントレポート後編では、万が一のリスクを避け、さらに起きてしまった炎上への適切な対処について語られたエルテスのセッションをお届けします。

【▼株式会社ディー・エル・イーへのお問合せはこちら】
TEL:03-3221-3990
MAIL:info@dle.jp


【執筆】末吉 陽子 (すえよし ようこ)
1985年生まれ。日本大学藝術学部卒業後、広告制作会社に就職。営業・制作ディレクターを経て、2012年にフリーランスの編集者・ライターとして独立。インタビューをメインにビジネスからカルチャーまで幅広いジャンルの媒体に寄稿している。

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デジタルリスク総研について

日本におけるSNSの利用率はここ数年増加の一途をたどり、2015年3月の調査では実に77%に至りました。企業もこれに比例してSNSをマーケティングに活用しようという動きが高まり、今日では既に一般的なこととなっています。ソーシャルメディアマーケティングは、話題の拡散、属性によるターゲティングや双方向のコミュニケーションといったマーケティングの多様性を生み出し、この成否が顧客エンゲージメントの獲得を左右するようになりました。

しかし、その一方で、ネット炎上件数もまた年々増加し、昨年は遂に1,000件を超え、企業としては、炎上させないSNSコミュニケーション術や、万が一炎上の火種が生じた際にどのように対応するかというリスク管理体制の整備が求められています。これは、ソーシャルメディアの活用を控えるという意味ではなく、ソーシャルメディアを有効に活用するための手段でもあります。

デジタルリスク総研は、2007年からソーシャルリスクマネジメントに着目し事業を行っている株式会社エルテスによって、ソーシャルリスク総研として、2016年2月に設立され、ソーシャルリスクを低減させることを目的とした研究機関として、ネット炎上等のソーシャルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元してまいりました。そして、2016年11月にデジタルリスク総研と改称し、ソーシャルリスク分野に加えて、企業内部の不正や金融犯罪の検知をはじめとしたリスクインテリジェンス分野における研究を開始しました。このサイト上では、企業に役立つ実践的なデジタルリスクマネジメントについて、定期的に情報発信を行いますので、企業等のデジタルリスクマネジメントに是非ご活用ください。

※ 13歳以上の男女。(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

運営者について

デジタルリスク総研は株式会社エルテス内にございます。
株式会社エルテスでは、次のような事業を行っております。お気軽にご相談ください。