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より強力なマーケティングとは。CMだけじゃユーザーの心を掴めない?
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2015年02月18日
モノが溢れ、鉛筆1本を選ぶ時でさえ多様な選択が可能になった現代。
選択肢の多さは豊かさの象徴ともいえますが、同時に数ある選択肢の中から何か一つを選ぶことが難しくなっているともいえます。
そのような中で、企業や広告代理店はより効果的なマーケティング戦略を図ろうと努力していますが、ある商品が「好き」というだけでは選ばれなくなった今、はたして消費者はどのような商品を好み、選択しているのでしょうか。
今回は、二つの異なるマーケティング戦略によってヒットした商品のうちどちらを選ぶのか、アンケートをとってみました。

アンケート結果
【質問】
CMや広告でよく目にするあのヒット商品。ツウによる口コミだけでヒットをとばすあの商品。あなたはどっちを選ぶ?
【回答数】
・CMや広告でよく目にするあのヒット商品:44
・ツウによる口コミだけでヒットをとばすあの商品:56
「よく目につく=売れる」とは限らない!
アンケートによると、約6割の人が「ツウによる口コミだけでヒットをとばす商品」を選び、CMといった広告によるヒット商品を上回る結果となりました。その代表的な理由をいくつか見てみましょう。
・口コミのほうが実際使用した人の声が聴けるので参考になるし、無駄な宣伝がないので確実な情報だと思うので。
・広告しなくても口コミだけでヒットしている商品なら本当にいい商品だと思うから。しかも、ツウがいいというならなおさら。
・多額の広告費を使用していない事で、利益が顧客に還元されているイメージがあるので。口コミだけで売れている商品の方が良質な印象を持つ。
・普段からクチコミサイトを頻繁に利用しており、商品の購入などにかなり役立っているので、いいことばかり言っているCMよりも参考になると思うので口コミで評判のいいものを選ぶと思う。
・あまり、大勢のひとがつかっているものに興味がないから。ツウが好むものが好きだから。
まず、最も多かったのが、実際に商品を使用した人の口コミの方が信用できるという意見です。CMといったマス広告は、見方によっては商品の良い面だけを切り取り、過剰に宣伝していると捉えられる可能性があります。一方で口コミは実際に利用したユーザーの意見ですから、企業側のバイアスなしに商品のメリットもデメリットも知ることができるというわけです。消費者がメーカー側とフェアな関係を築いているという、安心感が大切なのかもしれません。
また、マス広告を打たなくても売れる商品の方が良質な印象を与えることもうかがえました。広告を出さない分、商品の質を上げようとする努力やお金をかけずに商品の良さだけで勝負する姿勢が、商品そのものだけでなく企業のブランドイメージ向上にもつながっていると考えられます。それゆえでしょうか、質にこだわる本物志向の人は、マス広告ではなくツウによる口コミでヒットしている商品を選ぶ傾向があるようです。
今回こちらを選んだ人は20~30代の比較的若い人が多く、その中には普段から口コミサイトを利用し、口コミによって商品を比較してから購入に至るという人も。ネットの普及によって検索が容易になり、人々のネットリテラシーも日々向上してきている現代だからこそ、それを使いこなす若者にとって口コミはマス広告にも勝る情報源になり得るようです。
口コミの信憑性はいかに。広告が安心感に一役買っている場合も!
一方で、「CMや広告でよく目にするヒット商品」を選ぶという人も4割ほどおり、広告が生活者に与える影響力の大きさもうかがえました。こちらを選んだ人の理由を見てみましょう。
・口コミ情報を対して重要な情報とは思っていないので、それで左右されることはありません。
・口コミはやらせの可能性もあるから、あまり信用できない。CMや広告のほうが印象に残る。
・CMや広告でよく目にするあのヒット商品のほうが簡単に手に入れることができそうだから。
・広告費用をかけられるほど儲かっていると感じるので、テレビなどで目にする商品を選ぶと思う。
・自分が良く接しているもので、多くの人も同じように知っているものの方が安心感がある。ツウの中に信頼できる知人がいれば別。
まず、比較的ご年配の方に多かったのは、そもそも口コミというものを信じないという意見。口コミを重要な情報とは捉えておらず、実際に自分の目で見て決めたいというものでした。そのきっかけとして、よく目にするマス広告の方が有力だということでしょう。口コミサイトを普段からよく利用するという若者との意識の乖離が顕著に表れていました。
それに追随して、口コミが関係者によるやらせかもしれないという理由から口コミは信用できないという人が多く見られました。企業側がそのような戦略をとっていることもありますから、たしかにやらせの可能性は否めません。よりよい商品選びのためにも、口コミをそのまま鵜呑みにすることへの危機感は持ってしかるべきだと思います。
現実的な意見としては、マス広告を打っている商品の方が入手しやすいという意見がありました。たしかにツウによる口コミだけでヒットしている商品は、どれだけ質がよくても取扱いしているお店が少なかったり、入手困難であったりすることがあります。欲しいときにすぐ手に入る「手軽感」も、商品を選ぶポイントになっているのでしょう。それに一役買っているのが、マス広告というわけですね。
また、口コミによるヒット商品を選んだ人が、あえて広告を打たないことに企業のブランド力を感じるのに対して、広告によるヒット商品を選んだ人の多くは、大手メーカーの商品であることやCMのような大々的な広告を出せるだけの資金力があることに安心・信頼を感じているようです。よく目にするモノや大衆受けする商品に安心感や信頼感を抱くのは、いかにも和を大切にする日本人らしい理由ではないでしょうか。
商品も企業も、長く愛されてこそ意味がある!
今回のアンケートでは、ツウによる口コミだけでヒットしている商品を選ぶ人が1割ほど多かったものの、マス広告の力もいまだ劣ってはいないということが分かりました。売れる商品にするために、広告によって消費者の「好き」や「興味」をかき立てるのは一つの大きな手ではあります。しかしそれだけでは消費者の心を掴めないほど、人とモノの関係は複雑になってきています。今回アンケートに回答してくださった方の意見から見えてきたのは、商品そのものの良さだけでなく、その背景にある企業としての理念や活動など、様々な要因を含めてモノを選んでいるということ。そして、口コミによるヒット商品を選んだ人たちのように、能動的に商品の情報にアプローチし、より良いモノを選ぼうとする消費者が少なからずいるということです。ですから、効果的な広告によって消費者の興味関心を刺激するだけでなく、消費者の能動的なリサーチに対応することも、マーケティングの一環として必要なのではないでしょうか。
そして今回明らかになったように、マス広告をまったく打たず口コミの力を味方につけたバイラルマーケティングの効果は、今後さらに拡大していくと考えられます。アットコスメや価格.comのような口コミサイトがどんどん普及していますし、消費者のネットでの検索力をあなどることはできません。ツウによる口コミでヒットという例でいえば、かの有名な老舗手帳ブランドは、シンプルな1冊のノートにも関わらず、一切マス広告を使わずにヒットし続けています。これには商品の背景にあるストーリー作りが成功したという要因もありますが、ここまでヒットし続けているのはバイラルマーケティングの効果によるものだと考えられます。
これから企業が目指すべきは、「売れる商品」ではなく「長く愛される商品」「長く愛される企業・ブランド」。そのためには、広告というキッカケだけではなく、その先にある評判や口コミを大切にすることが必要不可欠なのではないでしょうか。
<アンケート実施概要>
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2015年1月13日~1月20日
■有効回答数:100サンプル

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