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愚痴をこぼさなきゃやっていられない!?社会人のストレスとSNS

2015年02月20日

いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる企業は、長時間労働の強要、残業代の未払い、離職率の高さなどから判断されます。しかし、そのほかにもネット上の情報から「ブラック」のレッテルを張られることも少なくありません。特に、就職活動や転職活動の際はインターネットで情報を集めることが多いと思います。みなさんも、「○○社の社員だが、ここの会社は本当にブラック」などという発言を、どこかで目にしたり耳にしたことがあるかもしれませんね。もし実際に働く従業員による会社や仕事についての愚痴を見聞きしてしまったら、なかなか応募に意欲的にはなれないかと思います。
このような事態を防ぐために、企業はどのような対策を講じることができるのでしょうか。
まずは、どれほどの人がネット上で愚痴を言ったことがあるのか、会社員を対象にアンケートをとってみました。

アンケート結果

【質問】
仕事の愚痴や文句(業務内容や個人名まで)をSNSや掲示板サイトに投稿する?

【回答数】
する:3
しない:97

「愚痴ひとつ」が社内外に及ぼす影響

アンケートの結果では、ネット上に仕事の愚痴や文句を言うことはしないという人の方が圧倒的に多数でした。
その代表的な理由をいくつかご紹介します。

・不特定多数の人が見る場で会社や個人が特定される様な記述をするのはマナー違反であると考える為
・他者にとって、不利益になり得るような投稿は、人道的にするべきではないと思うので。
・しません。何のために実名等を世間に曝すのか意味が分からない。自社内の恥を自らばらまくような行為は社会人としてあるまじき行為だと思います。
・そんな恥ずかしい事はしません。文句があるなら会社に堂々と言いなさい。

これらの意見からもわかるように、大多数の人はネット上に仕事に関わる書き込みをすることはNGだという認識をお持ちのようです。社会人としてやってはいけないことだと感じているようですね。実際に、安易な気持ちで書き込んだ仕事の愚痴がきっかけとなって名誉棄損だと言われたり、社外に新規プロジェクト内容が漏れてしまい損害賠償請求をされたりと、想定外のトラブルに発展する可能性も考えられますので、これらの意見は社会人として当然の意識なのかもしれません。
また、「万が一、個人名を挙げて本人が目にしたら一緒に仕事がしづらくなる」という意見も多く集まり、実際に、そのような経験をお持ちの方もいました。

・以前に新入社員が同様のことをしていた。親切に指導していたつもりが、うざいと思われていた。以降一緒にしごとをしにくくなった。どうしても自分の心の中の事を書きたいのなら自分しか見れないところでして欲しいと思った。一人の社会人として非常識だと感じる。

このように、ネット上に書き込んだネガティブな情報が広まってしまった場合、対外的な印象を悪化させるだけではなく、社内の人間関係も冷え込ませるということが分かります。そうなると社員同士のコミュニケーションがうまく取れなくなり、会社の売り上げにも悪影響を及ぼしかねません。

SNSはストレス解消法のひとつ

一方で、意外にもネット上で仕事の愚痴をこぼしたことがある人はたったの3%という結果となりました。
スマートフォンの普及と共にインターネットに触れる機会が増えたことは間違いありませんが、大勢の利用者はリテラシーをもって上手に利用しているようです。逆に、ネット上で仕事の愚痴をこぼしたことがある人はWebリテラシーが低いのでしょうか?確かに少数派ではありますが、意見を見てみましょう。

・個人名は出しませんが、愚痴投稿サイトに投稿したことがあります。あまりにもストレスがたまっていて、本人に対して爆発しそうだったので、対策として利用しました。
・知らない人に聞いて欲しい、というよりは知らない人にだからこそなんにもかもぶちまけたい。
・さすがに個人名までは書かないが、どうしてもストレスの吐け口に使ってしまって愚痴を書いたことあり。

社会人として働いている以上、おそらく誰でもストレスは溜まるものです。もちろん人それぞれですが、その中でもSNSに愚痴や文句を吐き出したり、同じような境遇の友人の共感を得たりするというのは、その手軽さからもストレス解消法として比較的一般的だといえるのではないでしょうか。
上記の意見からも、本人に悪気はなく、心の叫びをただ聞いて欲しいという気持ちが汲み取れます。「個人名は出さない」や「知らない人」といったキーワードが出ていることからも、上司や会社に迷惑をかけてやろうという意思があるわけではないようです。
とはいえ、公開のSNSや掲示板ではその愚痴や文句が誰の目に留まるか分かりませんから、当然外部の人間だけでなく、同じ社内の人間にも伝わり、最悪の場合は個人が特定されることもあるということを肝に銘じておく必要があるでしょう。
そう考えると、必然的にそのようなネガティブな内容は書き込まないことがベスト、ということになりますよね。

インターネットとの付き合い方をルール化するメリット

今回のアンケートでは、ネット上に仕事関連の愚痴を書き込む人は非常に少数派ということが分かりました。大多数の人は社会人としてやっていいことと悪いことを自分で判断し、会社や他人のことを考えて行動しているようです。しかし、すべてを個人の判断に任せた場合、つい爆発してしまってネット上にネガティブな発言をする人が現れてもおかしくありません。確かに今回の調査では全体の3%と少数でしたが、今後さらにインターネット利用者が増えていくことを想定すると、それに合わせたルールを策定することも必要なのかもしれません。
例えばほんの一例ですが、

①個人でSNSを利用する場合は、プロフィール欄に勤めている会社名は記載しない。
②個人名、社名、またはそれらを連想させる発言はしない。

などをしっかりと決めておけば、インターネット上にネガティブな情報が流れるリスクは大幅に減らすことができます。
また、こういったルールを策定することで社員がそのルールに従ってインターネットを利用することが出来るので、SNSなどを気持ちよく利用できますし、場合によっては企業の広報活動の助けになるメリットもあります。
社員から愚痴がでない社内環境づくりはもちろん大切ですが、万が一に備えてインターネットとの付き合い方もルール化することが必要なのではないでしょうか。

<アンケート実施概要>
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女(会社員)
■調査期間:2015年1月13日~1月20日
■有効回答数:100サンプル