デジタルリスク総研は、デジタルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元することによって、デジタルリスクを低減させることを目的とした研究機関です。MORE

あなたの会社は大丈夫?ソーシャルリスクマネジメントの7つのポイント

2016年10月12日

9月下旬、ある国の宇宙ステーションが技術的な問題で制御不能となり、来年後半に地球へ落下すると発表され話題となりました。発表内容の正確性もさることながら、発表される半年程前から実は制御不能であると噂されていたものの、それをかたくなに否定し続けていたことも判明しています。この情報がソーシャルメディア上に拡散され炎上に至りましたが、ソーシャルリスクがもたらす影響とはどのようなものがあるのでしょうか。また、ソーシャルリスクをマネジメントするにはどうすればいいのでしょうか。

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ソーシャルメディアはネガティブ情報が生まれやすい

今回のニュースが炎上した理由は、ニュースを知った人がソーシャルメディア上で批判的な投稿をしたことに起因しています。ソーシャルメディアは匿名投稿も多いため、ネガティブな情報が生成されやすい特徴があり、本ケースはその特徴が顕著に表れた例と言えます。

「これだから○○は・・・」という声が上がっていますが、これは発表内容の被害想定の甘さや、事前に噂されていた内容を否定し続けた不誠実な言動に対し、それだけ拒絶する人が多かったことを物語っています。

普段、Twitterを使っている人で、どれぐらいの人がソーシャルリスクを意識して投稿しているでしょうか。大多数の人が深く考えずに思ったことをそのときの気分で投稿しているのではないでしょうか。 気軽にソーシャルメディアに声を発することができる現代だからこそ、改めてソーシャルリスクがもたらす影響について考えてみましょう。

ソーシャルリスクがもたらす影響

では、具体的にどのような影響があるでしょうか。企業に当てはめて考えてみたいと思います。

今回の例で言えば、従業員の失言に端を発します。従業員の失言を聞いた人々が思い思いにTwitter等で批判的な言葉を連ね、炎上に至ります。Twitterで多くの批判がなされれば、NAVER等のまとめサイトに集約されTwitterを利用していない人でもニュースと世論の声をまとめて目にする機会が増えます。情報の拡散です。

情報を目にした人には、企業に関わりのある人もいれば、関わりのない人もいます。どれだけの人がその情報を知ることになるのでしょうか。 失言をした従業員ひとりの声で、その企業のイメージが悪くなり、企業に関する評判が原因で、商品をつくっている企業であれば購入するお客様や取引先等による企業の評価が低下して企業が損害を受け企業価値も低下します。これが「レピュテーションリスク」と呼ばれるもので、欧米ではこのレピュテーションリスクを企業の重要資産と捉え、適切にマネジメントすることで企業価値の向上を図ろうとしています。

レピュテーションリスクが低下すると、それまで築き上げてきたブランドイメージやブランド価値の低下、役員への責任追及や退陣要求にも波及するかもしれません。もちろん取引先等との関係も悪化し、取引高の減少に繋がればやがて取引は停止せざるをえません。従業員ひとりの失言が、最悪の場合、会社を終焉に至らしめる可能性をはらんでいるのです。

ソーシャルリスクをマネジメントする

ソーシャルリスクにより、経営に重大な影響が生じることをおわかりいただいたところで、最後にソーシャルリスクをどのようにマネジメントするかについてお伝えします。何か問題が起きた際、正しく動くことができるようにするには、事前にある程度ガイドラインを作成することが大切です。緊急時はそのガイドラインに沿って動く方が効率的ですし、安心できます。ガイドラインを作成するうえでソーシャルリスクをマネジメントするためには、以下のポイントがあります。

  1. 自社のリスクマネジメント体制の現状確認
  2. 推進組織・管理体制の整備
  3. 諸規定の制定・整備
  4. 具体的な執行計画の立案
  5. リスク洗い出しと優先順位の決定
  6. 発生防止・リスク軽減のための具体的な対策の実施
  7. 取り組み状況のモニタリングと制度・運営の定期的な見直し

マネジメント体制が整ったのち、従業員へ定期的な研修等インプットを通して従業員ひとりひとりのソーシャルリスクに対する意識を醸成することがソーシャルリスクを最小限に止めることに繋がります。

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デジタルリスク総研について

日本におけるSNSの利用率はここ数年増加の一途をたどり、2015年3月の調査では実に77%に至りました。企業もこれに比例してSNSをマーケティングに活用しようという動きが高まり、今日では既に一般的なこととなっています。ソーシャルメディアマーケティングは、話題の拡散、属性によるターゲティングや双方向のコミュニケーションといったマーケティングの多様性を生み出し、この成否が顧客エンゲージメントの獲得を左右するようになりました。

しかし、その一方で、ネット炎上件数もまた年々増加し、昨年は遂に1,000件を超え、企業としては、炎上させないSNSコミュニケーション術や、万が一炎上の火種が生じた際にどのように対応するかというリスク管理体制の整備が求められています。これは、ソーシャルメディアの活用を控えるという意味ではなく、ソーシャルメディアを有効に活用するための手段でもあります。

デジタルリスク総研は、2007年からソーシャルリスクマネジメントに着目し事業を行っている株式会社エルテスによって、ソーシャルリスク総研として、2016年2月に設立され、ソーシャルリスクを低減させることを目的とした研究機関として、ネット炎上等のソーシャルリスクに関する研究を行い、その成果を社会に還元してまいりました。そして、2016年11月にデジタルリスク総研と改称し、ソーシャルリスク分野に加えて、企業内部の不正や金融犯罪の検知をはじめとしたリスクインテリジェンス分野における研究を開始しました。このサイト上では、企業に役立つ実践的なデジタルリスクマネジメントについて、定期的に情報発信を行いますので、企業等のデジタルリスクマネジメントに是非ご活用ください。

※ 13歳以上の男女。(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

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